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顎関節症とマウスピース治療体験談と感想
私は数年前から、時々顎がカクカク鳴ったり、大きく口を開けると軽い痛みを感じたりすることがありました。最初はそれほど気にしていなかったのですが、ある朝、起きたら口がほとんど開かなくなり、食事をするのも困難な状態になってしまいました。慌てて近所の歯科医院を受診したところ、「顎関節症」と診断されました。特に、夜間の歯ぎしりや食いしばりが強いようで、それが顎関節や筋肉に大きな負担をかけているのだろうとのことでした。先生から提案された治療法の一つが「マウスピース(スプリント)療法」でした。就寝中に装着することで、歯ぎしりや食いしばりから顎を守り、筋肉の緊張を和らげる効果があるとのこと。正直、寝ている間に口の中に何かを入れることには少し抵抗がありましたが、この辛い症状から解放されるなら…と思い、作ってもらうことにしました。数日後、私の歯型に合わせて作られた透明なマウスピースが出来上がりました。最初は、やはり口の中に異物がある感覚に慣れず、少し話しにくかったり、唾液が多く出たりしました。夜も、最初の数日間は気になってなかなか寝付けませんでしたが、先生から「徐々に慣れてきますよ」と言われていたので、根気強く装着を続けました。すると、1週間ほど経った頃から、朝起きた時の顎のこわばりや痛みが、以前よりも軽減されていることに気づきました。口も少しずつ開けやすくなってきたのです。そして、数ヶ月間、毎晩欠かさずマウスピースを装着し続けた結果、あれほど辛かった開口障害や顎の痛みは、ほとんど気にならないレベルまで改善しました。カクカクという音も、以前よりは少なくなったように感じます。もちろん、マウスピースだけに頼るのではなく、日中の食いしばりを意識して減らすようにしたり、硬いものを避けるようにしたりといった生活習慣の改善も並行して行いました。定期的な歯科医院でのマウスピースの調整も欠かせませんでした。先生がその都度、噛み合わせをチェックし、細かく調整してくれたおかげで、常に快適な状態で使用できたのだと思います。今では、マウスピースがないと不安で眠れないほど、私にとってはお守りのような存在です。顎関節症の症状は本当に辛いものですが、適切な治療とセルフケアで改善できるということを、身をもって体験しました。もし同じような悩みを持つ方がいたら、諦めずに専門医に相談してみてほしいと思います。