2025年10月
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顎関節症や三叉神経痛も?見逃せないその他の原因
片側の喉と歯の痛みは、その多くが親知らずや扁桃炎といった歯科・耳鼻科領域の疾患によるものですが、中には少し異なる分野の原因が隠れていることもあります。様々な検査をしても異常が見つからない場合、これらの可能性も視野に入れる必要があります。その一つが「顎関節症」です。顎関節症は、顎の関節やその周りの筋肉(咀嚼筋)に問題が生じる病気で、口を開けると顎が痛む、カクカクと音が鳴る、口が大きく開けられないといった症状が代表的です。この顎の筋肉の痛みや緊張が、関連痛として歯や喉、こめかみ、耳の痛みとして感じられることがあるのです。特に、歯ぎしりや食いしばりの癖がある人、ストレスを抱えている人に発症しやすい傾向があります。もう一つ、非常に強い痛みを伴うのが「三叉神経痛」です。三叉神経は、顔の感覚を脳に伝える神経で、おでこ、頬、顎の三つの領域に分かれています。この神経が、何らかの原因(多くは血管による圧迫)で刺激されると、片側の顔面に、まるで電気が走るような、あるいは針で刺されるような、突発的で激しい痛みが数秒から数分間起こります。洗顔や歯磨き、食事といった些細な刺激が引き金になることも多く、その痛みが歯や顎、喉のあたりに現れるため、最初は歯の病気と間違われることも少なくありません。これらの病気は、それぞれ顎関節症であれば歯科・口腔外科、三叉神経痛であれば神経内科やペインクリニックが専門となります。歯科や耳鼻咽痕科で原因が見つからない場合は、こうした別の病気の可能性も考え、医師に相談してみることが大切です。