「差し歯の治療は、何回くらい歯医者に通えば終わるの?」これは、治療を始める多くの患者さんが抱く素朴な疑問です。保険適用の差し歯ができるまでには、いくつかのステップがあり、ある程度の通院回数と期間が必要になります。ここでは、一般的な治療の流れを解説します。まず、差し歯治療の前提として、歯の根の状態が健康であることが必要です。もし、歯の神経が死んでいたり、根の先に膿が溜まっていたりする場合は、本格的な差し歯治療の前に「根管治療」という、歯の根の中を消毒する治療を行わなければなりません。ステップ1:根管治療(必要な場合) 感染した神経などを取り除き、根管内を徹底的に洗浄・消毒します。この治療は非常に精密で時間がかかり、歯の状態にもよりますが、週に1回程度の通院で3回から5回以上かかることも珍しくありません。期間にして1ヶ月から2ヶ月を要する、治療の土台となる重要なプロセスです。ステップ2:土台(コア)の作製 根管治療が完了したら、差し歯を支えるための土台(コア)を歯の根に立てます。まず、土台を入れるための形を整え、型取りをします。次回の通院で、完成した金属の土台(メタルコア)をセメントで装着します。(通院2回)ステップ3:差し歯(クラウン)の型取り 土台がしっかりと装着されたら、いよいよ最終的な被せ物である差し歯の型取りを行います。同時に、噛み合わせや色調などを確認します。ステップ4:差し歯の装着 約1週間から10日後、歯科技工士によって作製された差し歯が完成します。噛み合わせや適合を入念にチェックし、問題がなければセメントで合着して、治療は完了です。以上の流れを合計すると、根管治療が必要な場合、通院回数は最低でも5回から8回以上、期間としては1ヶ月半から数ヶ月かかることになります。根管治療を途中でやめてしまうと、症状が悪化して抜歯になる可能性もあるため、必ず最後まで通院することが大切です。