根管治療と聞くと、「歯の神経の治療だから、ものすごく痛いのでは?」と、強い恐怖心や不安を感じる方が少なくありません。また、「何度も通わなければならないと聞いた」と、治療期間の長さにうんざりしてしまう方もいるでしょう。ここでは、根管治療の「痛み」と「期間」についての真実をお伝えします。まず、治療中の痛みについてですが、結論から言えば、「適切な麻酔を行えば、痛みを感じることはほとんどない」と言えます。治療を始める際には、しっかりと局所麻酔を効かせるため、歯を削ったり、根の中を器具で触ったりしても、痛みを感じることはありません。そもそも、膿が溜まっている歯の多くは、すでに神経が死んでしまっているため、麻酔なしでも痛みを感じないケースも多いのです。ただし、治療後に一時的な痛みが出ることがあります。これは「フレアアップ」と呼ばれ、根管内を清掃・消毒した刺激によって、今まで落ち着いていた根の先の病巣が活性化し、膿が急に出ることで内圧が高まるために起こる現象です。ズキズキとした痛みや、噛んだ時の痛みが出ることがありますが、通常は処方される痛み止めでコントロールでき、数日で落ち着きます。次に、治療回数と期間ですが、これは歯の状態や根管の数、形状の複雑さによって大きく異なります。一般的には、週に一度程度の通院で、3回から5回、期間にして1ヶ月から2ヶ月程度かかることが多いです。前歯など根管が一本で単純な形状の場合は、より短期間で終わることもあります。逆に、大臼歯のように根管が複数あり、曲がっていたり枝分かれしていたりする複雑なケースでは、それ以上の回数と期間が必要になることもあります。なぜ複数回の治療が必要なのか。それは、感染の温床となった根管内を完全に無菌的な状態にするためです。一度の清掃・消毒だけでは、しぶとい細菌を根絶することはできません。回を重ねて丁寧に消毒し、症状が完全に落ち着いたことを確認してから、最終的な薬を詰める。この根気強いプロセスが、歯を長持ちさせるための鍵となるのです。