子供の虫歯予防の基本は、なんと言っても毎日の歯磨きです。しかし、子供の口の中は、成長と共に刻一刻と変化していきます。生えている歯の本数や種類に合わせて、ケアの方法もステップアップさせていくことが、効果的な虫歯予防の鍵となります。【ステップ1:歯が生える前(0本)】 この時期は、歯磨きは不要ですが、口の中に触れられることに慣れさせる「準備期間」です。授乳や食事の後、濡らした清潔なガーゼで歯茎を優しく拭ってあげましょう。【ステップ2:下の前歯が生え始めたら(1~4本)】 いよいよ歯磨きデビューです。保護者が膝の上に子供の頭を乗せる「寝かせ磨き」の体勢が基本。赤ちゃん用の歯ブラシを使い、優しく一本ずつ磨きます。歯ブラシを噛んでしまうことが多いですが、まずは歯ブラシに慣れることが目標です。【ステップ3:上下の前歯が生えそろったら(8本頃)】 前歯の表面だけでなく、歯と歯の間や、歯の裏側も意識して磨くようにします。特に上の前歯は、唾液による自浄作用が働きにくく、汚れが残りやすい場所なので注意が必要です。【ステップ4:最初の奥歯(第一乳臼歯)が生えたら(12~16本)】 奥歯の溝は、複雑で汚れが溜まりやすく、虫歯の好発部位です。歯ブラシの毛先を溝にしっかりと当てて、細かく動かして汚れを掻き出しましょう。この頃から、フッ素入りの歯磨き粉を少量使い始めるのも効果的です。【ステップ5:全ての乳歯が生えそろったら(20本)】 20本の歯全てを、磨き残しなくケアすることが目標です。歯磨きに加えて、子供が嫌がらなければ、デンタルフロスを使い始めるのも良いでしょう。特に、歯と歯の間が詰まっている場合は、虫歯予防に絶大な効果を発揮します。そして、忘れてはならないのが、6歳頃に生えてくる永久歯「6歳臼歯」です。乳歯の一番奥に生えてくるため、気づきにくく、また、背が低く溝も深いため、非常に虫歯になりやすい歯です。仕上げ磨きの際には、この6歳臼歯を特に意識して磨いてあげてください。