セラミック治療には、審美性や機能性の面で多くのメリットがありますが、治療を受ける前には、そのデメリットや潜在的なリスクについても正しく理解しておくことが、後悔しないための重要なステップとなります。良い面ばかりに目を向けるのではなく、弱点も知った上で、納得して治療を選択することが大切です。1. 費用が高額であること セラミック治療は保険適用外の「自費診療」となるため、費用は全額自己負担です。詰め物(インレー)で1本5万円以上、被せ物(クラウン)では10万円以上かかることも珍しくありません。これは、高品質な素材費、精密な治療を行うための技術料、そして十分な時間をかけるための対価ですが、経済的な負担が大きいことは最大のデメリットと言えるでしょう。2. 割れる・欠けるリスクがあること セラミックは陶器の一種であるため、非常に硬い一方で、強い衝撃に対しては割れたり欠けたりする「脆さ」も持ち合わせています。特に、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方、奥歯など強い力がかかる部位では、破損のリスクが高まります。このリスクを軽減するために、夜間にマウスピース(ナイトガード)の装着が必要になることもあります。3. 歯を削る量が多くなる可能性があること セラミックの種類や、歯の状態によっては、十分な強度を確保するために、健康な歯の部分をある程度削る必要があります。特に、金属に比べて強度で劣る一部のセラミックでは、被せ物に一定の厚みを持たせる必要があるため、銀歯よりも削る量が多くなることがあります。もちろん、歯科医師は必要最小限の切削を心がけますが、歯を削るという行為は元に戻せない処置です。4. 歯科医師の技術に結果が左右されること セラミック治療は、歯の形成、型取り、噛み合わせの調整、接着といった全ての工程で、非常に高い精度が求められます。歯科医師の技術や経験によって、仕上がりの美しさや、その後の持ち(寿命)が大きく左右されると言っても過言ではありません。信頼できる歯科医院を慎重に選ぶことが、治療の成功の鍵となります。これらのデメリットを理解し、自分のライフスタイルや価値観に合うかどうかを、歯科医師と十分に相談した上で判断することが重要です。
後悔しないために知っておきたいセラミック治療のデメリットとリスク