「子供の歯のケアは、歯磨きだけで十分?」「フロスって、子供にも必要なの?」。乳歯が生えそろってくる時期になると、多くの親御さんがこうした疑問を抱きます。結論から言うと、子供にもフロスは「必要」です。そして、それを始めるべきタイミングは、「歯と歯の間に隙間がなくなり、くっついてきたら」です。一般的には、最初の奥歯である第一乳臼歯が生えそろい、歯と歯が隣り合うようになる、1歳半から2歳半頃が、フロス開始の目安となります。なぜ、子供にフロスが必要なのでしょうか。それは、乳歯、特に奥歯の歯と歯の間が、子供の虫歯の「二大好発部位」(もう一つは奥歯の溝)だからです。乳歯は永久歯に比べて歯質が弱く、一度虫歯になると、あっという間に進行してしまいます。歯と歯の間の虫歯は、見た目では分かりにくく、気づいた時には大きな穴が開いていた、ということも少なくありません。このリスクの高い場所の汚れを落とせるのは、フロスだけなのです。とはいえ、小さな子供に、大人と同じ糸巻きタイプのフロスを使うのは至難の業です。そこでおすすめなのが、「子供用のホルダー付きフロス」です。持ち手が子供の好きなキャラクターになっていたり、カラフルなデザインだったりと、子供が興味を持ちやすいように工夫されています。安全に使えるように、ピック部分が丸くなっているものもあります。【楽しいフロス習慣のコツ】1. 親が楽しそうに使う:まず、親御さん自身が楽しそうにフロスを使っている姿を見せましょう。「気持ちいいね!」と声をかけることで、子供はフロスに良いイメージを持ちます。2. ゲーム感覚で:「歯の間に隠れてるバイキンさんをやっつけよう!」など、楽しい言葉がけで、ケアをゲームに変えてしまいましょう。3. 褒めてあげる:「上手にできたね!お口の中がピカピカになったね!」と、たくさん褒めてあげることが、子供のモチベーションに繋がります。4. 痛くないように優しく:仕上げ磨きの一環として、親が優しく行ってあげましょう。無理な力をかけると、子供は「フロスは痛いもの」と認識してしまいます。乳歯の健康は、将来生えてくる永久歯の歯並びや健康にも大きく影響します。小さいうちから親子で楽しくフロス習慣を身につけることが、子供の生涯にわたるお口の健康の、最高のプレゼントになるのです。