糸巻きタイプのフロスを手に取ると、パッケージに「ワックス」や「アンワックス」、「エキスパンド」といった様々な言葉が書かれていることに気づくでしょう。これらは、フロスの糸の加工や素材の違いを示しており、それぞれに使い心地や特徴が異なります。自分の歯間の状態や好みに合わせて最適なものを選ぶことで、フロスケアはより快適で効果的なものになります。1. ワックスタイプフロスの表面がワックスでコーティングされており、滑りが良いのが特徴です。そのため、歯と歯の間が狭い方や、詰め物や被せ物が多くてフロスが引っかかりやすい方でも、スムーズに挿入することができます。フロス初心者の方が、まず最初に試すのにおすすめのタイプです。デメリットとしては、ワックスの分だけ少し太くなること、歯垢の除去力がアンワックスに比べてやや劣ると言われることがあります。2. アンワックスタイプワックスコーティングがされていない、繊維が剥き出しのタイプのフロスです。歯間に挿入すると、細かい繊維が傘のように広がり、歯の表面の歯垢を効率的に絡め取ることができます。歯垢除去能力の高さが最大のメリットです。一方で、滑りが悪いため、歯間が狭いと入れにくかったり、途中で切れてしまったりすることがあります。フロスの扱いに慣れた上級者向けのタイプと言えるでしょう。3. エキスパンドタイプ「膨らむフロス」とも呼ばれる、比較的新しいタイプのフロスです。乾燥した状態では細いテープ状ですが、歯間に挿入して唾液の水分を吸うと、スポンジのようにふわっと膨らむのが特徴です。膨らんだ繊維が歯間に優しくフィットし、歯垢を効率的に除去します。また、スポンジ状になるため歯茎への当たりが柔らかく、歯茎が下がり気味の方や、歯間の隙間が広い方にもおすすめです。4. PTFE(テフロン)素材歯科用に開発された、非常に丈夫で切れにくい特殊な繊維(テフロンの仲間)で作られたフロスです。表面がとても滑らかで、どんなに狭い歯間にもスルスルと入っていくのが最大の特徴です。歯間が極端に狭い方や、金属の詰め物の縁などにフロスが引っかかってすぐに切れてしまう、とお悩みの方には、まさに救世主となるフロスです。
ワックス?エキスパンド?素材で選ぶおすすめ