歯並びを整えるための矯正治療中や、失った歯を補うブリッジを入れている方は、口の中の構造が複雑になり、通常の歯磨きだけでは汚れを落としきることが非常に困難です。このような特殊な状況では、歯間ケアの重要性がさらに増し、そして、ケアのためには特別な道具とテクニックが必要になります。【矯正治療中の方へ】ワイヤーやブラケットといった矯正装置の周りは、歯垢が溜まりやすい「死角」だらけです。通常のフロスは、ワイヤーが邪魔になって歯と歯の間に通すことができません。ここで活躍するのが、二つの特別な道具です。1. フロススレッダー:これは、裁縫で使う「糸通し」のような形状をした、フロスを導くための補助具です。フロススレッダーの輪の部分に、普段お使いの糸巻きタイプのフロスを通し、その硬い先端をワイヤーの下に差し込みます。そして、反対側からフロススレッダーを引き抜けば、ワイヤーの下にフロスを通すことができます。あとは、通常通りに歯と歯の間を清掃します。2. スーパーフロス:これは、フロス自体に工夫が凝らされた製品です。一本のフロスが、①硬い先端部分、②スポンジ状の太い部分、③通常のフロス部分、という三つの構造になっています。硬い先端部分を直接ワイヤーの下に通せるため、フロススレッダーを使う手間が省けます。そして、スポンジ部分でブラケットの周りの広い範囲の汚れを効率的に絡め取ることができます。矯正中の虫歯や歯周病を防ぐためには、これらの道具を使った毎日のケアが不可欠です。【ブリッジを入れている方へ】**ブリッジは、ダミーの歯である「ポンティック(橋の部分)」と歯茎の間に、食べカスや歯垢が非常に溜まりやすいという弱点があります。この部分の清掃を怠ると、土台となっている大切な歯が虫歯や歯周病になってしまい、ブリッジごとダメになってしまいます。このケアに最も適しているのが、やはり「スーパーフロス」です。フロススレッダーと同様に、硬い先端をポンティックの下の隙間に通し、スポンジ状の部分で、橋の底面をこするようにして汚れを掻き出します。歯間ブラシが通る隙間があれば、それも有効です。ブリッジの寿命は、この橋の下の清掃をいかに徹底できるかにかかっていると言っても過言ではありません。少し手間はかかりますが、自分の大切な歯と高価な治療を守るために、ぜひマスターしてください。
矯正中・ブリッジの方必見!特殊な状況でのおすすめフロス